ダイヤモンドの歴史――なぜダイヤモンドの価値はいつの時代も変わらないのか
インドで発見されローマに伝わる
ダイヤモンドの起源には諸説ありますが、その語源は旧約聖書にまでさかのぼるともいわれます。
もっとも、今日では聖書に登場するのはダイヤモンドとは別の鉱物であるとされ、歴史上、実際にダイヤモンドが登場するのは古代ローマ時代、遠くインドからもたらされたものが最初といわれています。
もちろん、当時は現在のような研磨技術はありませんから、ダイヤモンド本来の結晶が持つ美しさやどんなものにも勝る硬さが注目され、遠方から運ばれてきたという希少性も手伝って、珍重されていたと歴史的に考えられています。
さて、ダイヤモンドが今日のように宝石として価値を持つようになった大きな要因は、その美しさを際立たせるためのカット技術が確立されるようになった歴史的背景にほかなりません。
しかし、もともと硬いことがダイヤモンドの大きな特長ですから、研磨するのも容易ではありません。
古代ローマから千数百年を経た15世紀になってようやく、ダイヤモンド自身を使ってダイヤモンドを研磨する方法が確立しました。
それは、ダイヤモンド同士をこすり合わせたり、ダイヤモンドの粉末を付けた皮でこすったりする手法によるもので、ベルギーが発祥といわれています。
しかし、この頃はまだ、表面を磨いて反射を美しくする程度の加工が主でした。
ブリリアントカットの誕生と確立の歴史
現在のように、ダイヤモンドが美しい宝石として広く認められるようになったのは、やはりブリリアントカットの技法が確立してからでしょう。
歴史をひも解くと、その原型は西暦1700年にベネチアで生まれたといわれ、その後、長い年月の間に改良が加えられて、1919年、トルコフスキーが詳細な計算によって導き出した形が一つの到達点とされています。
さらに、ブリリアントカットはその後もいくつかの新しい形――寸法取りといった方が適切でしょうか――が提唱され、今日に至っています。いずれにせよ、ダイヤモンドを最も美しく見せる技法がブリリアントカットであることは、今日ではまず異論のないところでしょう。
ところで、ダイヤモンドの産地にも、歴史的な変遷がみられます。冒頭で述べたように、ダイヤモンドが最初に発見されたのはインドであり、その後も長い間、インド以外の土地からは見つかりませんでした。
また、初期には河原で見つかるものを採取することの多かったダイヤモンドですが、技術の発展や他の宝石の採掘が盛んになったこともあり、やがては大々的に採掘されるようになったという歴史が伝えられています。
ダイヤモンド産出国の移り変わり
ダイヤモンドは長い間、インド以外からは産出されなかったその歴史ゆえに、「インド石」と呼ばれることもあったほどです。
しかし18世紀に入り、当時ポルトガルの植民地であったブラジルでダイヤモンドが発見されました。
さらに、ブラジルのダイヤモンド産出量が下降し始めた19世紀中頃には、南アフリカでもダイヤモンドが発見され、1890年のプレミア鉱山(現カリナン鉱山)の発見によって、ダイヤモンドの主要産出国としての地位が確立したのです。また、他のアフリカ諸国も、現在に至るまでダイヤモンド産出量で多く上位を占めています。
なお、インドやブラジルでは現在、ダイヤモンドの産出量こそ小さくなっていますが、代わりにカッティングや取引上の集散地として、ダイヤモンド文化の一翼を担っています。
このように長い歴史を持つダイヤモンドですが、科学の発展した今日でも、その採掘は決して容易ではありません。
天然のダイヤモンドが生成される場所は地下140km以上といわれ、地表近くで採掘できる量はごくわずかです。
しかも、採掘された原石のうち、宝石として価値があるものは10%程度と、さらに限られます。その上、技術が進歩したとはいえ、カッティングにも多くの手間がかかります。
その結果、希少性と美しさとがあいまって、ダイヤモンドはいつの時代も変わらぬ価値を保ち続けているのです。
さらに付け加えるなら、ここに挙げた悠久の歴史そのものが、ダイヤモンドという宝石に至上の価値を与えているといえるのではないでしょうか。
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